『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』二周目のためのメモ書き
今年3月についに終わった、鉄血のオルフェンズ全50話。どうやら賛否両論あるようなのですが、個人的には凄い作品だったと思っています。しかし、一方で非常に難しいという印象もあり、まだきちんと理解できていないなぁと思っています。そのため、近いうちに二周目に挑戦したいと考えていて、それにあたってのメモ書きをしておこうかと。
何故この作品が難しいのかといえば、あまりに要素が多すぎるからだと思います。物語構造に様々なファクターやモチーフが組み込まれていて、尚且つ登場人物も多く群像劇的になっているのが、読解の難しさに拍車をかけています。
とりあえず、参考にしようと思っている(している)記事は以下。
そして、以下にメモ箇条書き。
- orphans=孤児たち、という社会的弱者たちが、「革命の乙女」やヤクザを通して成り上がり、大人の大きな権力に握りつぶされる話
- ジュリエッタという『圧倒的「革命の乙女」的記号力』を持った人が、ガンダムという伝説を超える話
- 三日月とオルガが目指していた場所とは。そもそもそれは存在したのか。鉄華団とは何のため(誰のため)の組織だったのか
- 家族というテーマ、その最終的な帰結
- クーデリア・藍那・バーンスタインの立ち位置、そして彼女が成したこと
- マクギリスにおける権威主義と暴力主義
- 三日月に対するジュリエッタと、マクギリスに対するガエリオ。後者の物語における意味
- ギャラルホルン幕府の歴史と展望
- イオク様とカルタ様の役割と可能性
- モビルアーマーとは何だったのか
- ビーム兵器不在のガンダム、その中でのダインスレイブ砲、その意味*1
- 『オルフェンズ』におけるポリティカル・コレクトネス
- ビスケット、アストン、シノ、そしてハッシュ……散っていった鉄華団の男たちと、タカキやザック、彼らの意味
- ノブリス・ゴルドン、蒔苗東護ノ介、そしてラスタル・エリオン……大人たちの行動原理
…とまぁ、なんかこう箇条書きにしただけでも、少し見えてきた気がしますが、まだバラバラとしていて、一つの構造物として認識できていない感じです。ただ、やはり長井龍雪監督は、これまでの「ガンダム」を壊すようなものを作ろうとしていたのではないか、というのは何となく分かってきました。そうなってくると、これまでのガンダムから勉強し直さなければならないのですが……。
とりあえず少しだけ整理すると、どうやら
という三本の軸が、まだ僕の中で並立(乱立?)しているようで、この統合的理解が二周目の課題になりそうです。
【5/19 追記】
一晩寝てシャワー浴びてたらまたちょっと整理できました。
- オルフェンズとは、1.鉄華団 2.マクギリス 3.ジュリエッタ の三勢力を指していて、彼らの絡み合いが主題
- 「革命の乙女」ジュリエッタが、鉄華団(クーデリアも勢力に含む)やマクギリスが成せなかったものを引き受けた、というのが物語の基本構造
どうやら、こういうことではないかと。
クーデリアと鉄華団の違いは、視点がミクロかマクロかというだけで、基本的には一緒であると考えたほうが良さそう。
では何故、鉄華団とマクギリスは目的・理想を果たせなかったのか。それは基本構造の外にある様々なファクターが絡んでいそうですが、今のところ「手段の不適当」ということでまとめられそうな気がしています。
二周目見ながらちょくちょく書いていこうと思います。