読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『正解するカド』がおもしろい

おもしろい。おもしろいです。

実は本作は今期なぜかノーマークだったのですが、先日知人にオススメをいただいて、昨晩の間に1~5話を一気見。

よくよくチェックしてみれば、個人的に2013年春アニメ中イチオシであった『翠星のガルガンティア』の村田和也氏が総監督。脚本を担当した小説家の野崎まど氏は、初めて名前を拝見しましたが、ポスト伊藤計劃なんて文字も見かけるような気鋭の作家のようで。

内容はしっかりSFです。突如発生したカドと呼ばれる謎の巨大な立方体。そこから現れたこれまた謎の存在ヤハクィザシュニナは人類との対話を望み…というような筋書きです。物語進行的に少しご都合主義っぽいところであったり、ツッコミどころもなくはないのですが、個人的にはワクワクが勝ってしまっていて、今のところ楽しく見ています。

個人的に、本作にはかなり色々な要素を感じます。謎の立方体カドについては『戦闘妖精・雪風』の超空間通路を彷彿とさせます*1し、また、主人公・真道幸路朗が外務省所属の官僚・交渉官であり、彼がザシュニナと人類の仲介役に立つことになり、それが物語の中心になっているのですが、政府・官僚システムが未知の事象に対してどう対処していくか、というのはどうしても『シン・ゴジラ』を想起せざるを得ませんし、また、この交渉人像はPSPゲーム『銃声とダイヤモンド』の主人公・鬼塚陽一と重なるところがあります*2。そして多分、こういうのもっといっぱいあります。

本作が面白いと思うのは、カドやザシュニナといった装置を利用して、世界に極端な"if"を突きつけてくるところです。以前にとある飲みの席で「もし、薬価一円程度で、ありとあらゆる病気を治療できる薬が開発されたらどうなるか」という話題が出たことがあったのですが、それに近いような話です。ちなみにその場では色々な想像が飛びました。開発者が暗殺される、政府か大企業によって隠蔽される、その薬そのものではなくその薬を分析して「現状知られているよりはちょっといい薬」が少しずつ発表されていく……などです。そういった思考実験を楽しめるのが、本作の一つの大きな魅力であると思います。

また、交渉にフォーカスしているのも面白い点です。と言っても、今のところ交渉という点ではそこまで大きな展開はない*3のですが、今後恐らく物語の筋に大きく絡んでくるものと思われます。日本最強の交渉人という位置づけの主人公・真道がザシュニナサイドに所属する「仲介人」であり、ヒロインである徭沙羅花が日本政府代表の交渉人である、という構造も面白いです。

なにしろまだ謎も多く、今後の展開が読めないのですが、5話時点で既に世界は大変なことになっているので、とりあえず今後の放送を楽しみにしています。これから見る方で、視聴可能な環境にある方は是非前日譚である0話から見るのをオススメします。物語の筋を理解するのには1話からで問題ありませんが、真道のキャラクターをよく理解できますし、報われないヒロイン感満載でもう既に人気出てるんじゃないかと思われるキャラ・夏目律の心情の理解の一助にもなりそうです。

*1:こういった類型の物語は他にもありそうな気もしますが、実際どの程度雪風と親和性というか関連あるんでしょう

*2:もっとも、鬼塚はもうちょっとふざけた男なのでキャラクターがかぶってはいないのですが

*3:…ように見えますが、もしかするとよくよく考えたら、これまでの真道の対応如何で全く違う展開があったりするかもしれない…