『Steins;Gate 0』走り書き

STEINS;GATE 0

PS storeの有料サービスPS plusの今月のフリープレイにあった『Steins;Gate 0』をプレイしました。

元々僕は、原作ゲームもアニメ版に関しても、割と熱心なファンであったのですが、とは言え、スピンオフ系の作品には一切手を出していませんでした。本作は一応「正統続編」を謳っていたために気にはなっていたのですが、しかし何となく期待はずれに終わったりしないかと警戒してもいて、手を出すまでには至らず、というところでした。が、PS plusの一ヶ月利用権は¥514のため、まぁそれであれば、ということで利用権購入・プレイに至った次第です。まぁ、普通にパッケージ版も叩き売りされてますけどね。

エンディングが6つあるうち、1つだけまだ見ていないエンディングがあるのですが……トゥルーエンドも見たので、現時点での感想を。

結論から言うと、原作ファンへの推奨度としては65%といったところです。これは、このゲームの点数が65点である、ということではないのですが、良いところ悪いところ併せ持っていて少し評価が難しいながらも、五分五分よりは多少良い、という印象ですので、こんな感じの数字です。

いや、ホント微妙な数字ですけど、結構魅力もあるんです。色々な世界線を見ることができますし、魅力的な新キャラクターもいますし、これまでのキャラクターをより深く知ることもできるエピソードも多く、AIとかに関してもなかなか興味深い話が出てきます。いいところだけを見れば、とても素晴らしい作品にも思えてくるのですが……。

残念ながら、あまり評価できないところも。例えば、日常パートが冗長であるのは割と大きな欠点の一つです。そもそも設定上、前作ヒロインである紅莉栖がいないわけなので、その状態で呑気に日常パートをやられても、素直に楽しめないわけです。まぁ勿論、オカリンの精神状態と共鳴させる効果という意味で「喪失感を感じながらの日常」を描くというのは、一つ演出としてありだとは思いますが、それにしては冗長です。特に原作と異なり、視点がオカリン以外のキャラクターに変移したりするのもあり、その印象を強めているように感じます。

また、先述の通りまだ見ていない1つのエンディングを除いての感想になりますが、どれを見ても何となくモヤッとした感じが拭えず、スッキリ終わりきった感じがしません。何しろ前提が、前作のトゥルーエンドにたどり着けなかった、ということなので、物語全体の雰囲気は少し重苦しく鬱々としたところがあるため、その分エンディングではスッキリとカタルシスを得たいところなのですが、少し不満を覚えます。

加えて、新システム"Amadeus"があまり活用されていません。ここは詳しくは述べませんが、本作のストーリー的にも最も核にあるのがこのシステムのはずなのに、なんだかその存在感はちょっと拍子抜けするくらい薄いです。もうちょっと活用の場を与えてくれても良かったのでは?

イラストも前作よりクオリティが落ちている印象だったり、誤字脱字が多かったり、ボイスの読み間違いもちょっとあったり、シナリオも一部ちょっと怪しかったりして、全体のクオリティが少し粗いように感じます。あんまり重箱の隅をつついても仕方ないのですが、これだけ売れて話題になって展開も大きい『Steins;Gate』という作品の「待望の正統続編」として出しているものなのだから、そこは粗いものでなく精緻なものを出してほしかったと言いたいところです。

結局、文句のほうがやっぱり長くなりがち……なのですが、しかし、あくまで65%はオススメです。原作プレイ者、或いはアニメ版視聴者で、PS3とかPS4とかPS VITAとか持っている人は、一ヶ月だけでもPS plusに加入して、ダウンロードをオススメします。なにせ¥514円です。6/6まではダウンロード可能、ダウンロードしてしまえば*16/6を過ぎてもPS plus加入期間中は無制限でプレイ可能、とのことです(こちらに詳しい。)。

*1:正確には無料での購入手続きを済ませてしまえば