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もう「人それぞれ。」なんて言うな

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「人それぞれ。」という言葉が嫌いだ。

その言葉は確かに、正しさを含んでいる。

しかし、その正しさはあまりに横柄に振りかざされてきた。

その言葉は確かに、自由の匂いをさせる。

しかし、その自由は単なる奔放であり「自ずからに由る」ことではない。

その言葉は確かに、ときに叫びたくなる。

しかし、それを叫ぶことは対話の放棄であることを知るべきだ。

 

確かに、

他人の価値観を無闇に否定してはいけない。

他者理解の努力をするべきだ。

「人それぞれ。」という言葉にはその志向が見られない。

他者は他者、自分は自分という断絶を、その言葉は一瞬で作り出す。

他者を認め理解を示すようで、その実は単なる諦めだ。

そして、その先には「なんでもあり」という不毛の大地が待っている。

 

我々には、なにか共通する、普遍的な価値観や感性が、あるはずだ。

それは具体的・明確な実在としてはあり得ないのかもしれない。

しかし、それを探すことを諦めることは、人間の終わりであると思う。

漸近線的な解を求め続ける事こそ、人間の行うべき所業であると僕は思う。

 

だから、もう「人それぞれ。」なんて言うな。

たとえそれがどんなに当り障りのない柔らかな響きで発せられても、

僕はその言葉を一つの暴力として受け取るだろう。